眼圧を下げるには目薬の点眼か手術をすることが主な対処法です。
これまで、目薬による点眼は眼圧を下げる上で以下のように大別されていました。
1. 房水(眼球内を満たしている液体)の排出を促すタイプ
2. 房水の生産を抑えるタイプ
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1のタイプでは主にプロスタグランジン関連薬が使われており、2のタイプではβ遮断薬や炭酸脱水酵素阻害薬などがあります。
この他にも何種類かの点眼薬があり、最初は一種類の点眼薬で治療を開始し、効果が十分でない場合は、種類を変えたり、作用の異なる1〜3種類の点眼薬を組み合わせ処方します。
しかし、それでも眼圧が下がらないケースが少なくありません。
その場合に使われだしたのが、2014年末に登場したROCK阻害薬というタイプの「リパスジル」です。
リパスジルは房水の排出を促す1のタイプと同様の点眼薬ですが、排出経路が従来の点眼薬とは違うようです。
従来の点眼薬は房水がぶどう膜強膜という部位から排出されていたのが、リパスジルでの追加でもう一つの排出経路が加わり、眼圧を下降させる確率を高めたのです。
リパスジルの房水排出経路
リパスジルはシュレム管という房水の排出口に作用する世界初の点眼薬です。
房水が最も多く排出されるシュレム管には、線維柱帯という組織がフタをするようについているので、線維柱帯を開いてやることで房水がシュレム管から排出されて眼圧も下がるということです。
リパスジルには線維柱帯の収縮と弛緩に関わるRhoキナーゼという酵素を阻害する働きがあり、その作用によってシュレム管のフタが開き房水が排出される仕組みだそうです。
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リパスジルの副作用
リパスジルは一日2回点眼が必要で、目の血管の弛緩により、1〜2時間ほど目が充血しやすくなりますが、副作用は比較的少なく、眼圧の低下作用も持続されやすいようです。
これまで、プロスタグランジンやβ遮断薬でも眼圧が下がりにくかった方もリパスジルを追加投与することで眼圧が下がったと報告されているようです。
リパスジルの登場で点眼治療の選択肢が増えたみたいですね。
私は今のところキサラタンのみの点眼ですが、視野狭窄抑制に効果がなければいずれはお世話になる薬なのかなと思っています。
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